債権回収に関する用語:一覧
オートコールシステム
債権管理業務の省力化とスピードアップを図るために開発された初期段階の電話督促、台帳作成から法手続きまでの一連の作業を機械化して自動処理をするシステムである。
延滞が発生した会員への督促業務は従来は手作業が中心だったが、現在はこのオートコールシステムが普及している。
オープンエンド・クレジットシステム
開放信用体系のことで、消費者信用の返済システムの1つである。
毎月の返済額や最終返済回数が確定していない返済方法で、この代表例が、リボルビングクレジット(回転信用)システムである。
これに対し、元利均等返済、元金均等返済、アドオン方式などのように、融資(与信)時点で返済回数、毎月返済額などが確定する返済方法をクローズドエンド・クレジットシステム(閉鎖信用体系)と呼ぶ。
回収
金融機関等が信用供与した資金(債権)を返済してもらうこと、またはそのための手段・方法のことである。
金融ビジネスは、元利ともに完全に回収を終えた段階で1つの取引が終了する。
回収期間
与信してから、最終返済期日までを「返済期間」という。
これに対して一般的に回収期間とは、ある債権が返済遅延になった場合、その約定返済日から結果的にその債権が回収されるまでの期間をいう。
回収期限到来基準
企業会計原則によって割賦販売に例外的に認められている収益認識(=決定)基準を指す。
現金改修の有無にかかわらず、回収期限が到来した割賦未収金を売上として計上する方法である。
回収基準
収益計上基準の1つで、販売代金の現金回収時点で売上収益を計上(決定)する方式である。
したがって回収基準では、完売してからも回収しない限り収益に計上しない。
割賦販売に適用されていることから、「割賦基準」「入金基準」とも呼ばれる。
割賦販売は、その性質上返済期間が長く回収リスクが大きいことから、特に「回収基準」の適用が企業会計原則によって認められている。
回収規制
債権者が債務者に対して、債務返済を求める場合の手段を規制することである。
1983(昭和58)年春に成立した貸金業規制法、および同年9月の大蔵省銀行局長通達「貸金業者の業務運営に関する基本事項について」によって、「取立て行為の規制」が定められた。
回収代行業者
債権者に代わって延滞債権や不良債権を回収する業者で、米国では許可制に基づくライセンスが必要とされる。
日本では、弁護士法の規制(非弁活動の禁止)に触れるとの理由で、法律的には正式に認められていなかったが、1998(平成10)年10月に「債権管理回収業に関する特別措置法」(サービサー法)が成立し、民間業者にも認められることになった。
なお顧客の預金口座からの自動引落しで集金を行なうことを代行する「集金代行業務」と「回収代行業務」は、まったく異なる業務である。
回収率
一定期間内における返済予定総額(元金プラス利息)に対する、回収金額の割合のことで、「延滞率」の反意語である。
消費者金融業界では、主に「延滞率」を債権回収の目安に用いる。
なお信販業界では「延滞率」とほぼ同じ意味となる「未収率」を用いる企業が多い。
貸倒れ
消費者ローンや販売信用において、与信した債権が回収不能になることをいう。
この貸倒れ債権を決算処理上、不良債権として資産から除外することを「貸倒償却」と呼ぶ。
貸倒基準(消費者金融の
貸倒れの認定基準は統一されておらず、各業界および各社の基準で経理処理されているが、消費者金融業界の一般的な処理方法は下記のようになっている。
まず債権管理を行なうにあたり、債権は「通常債権」「減額債権」「利息棚上債権」「貸倒債権」の4つに分類される。
「通常債権」は、会員(顧客)の取引が約定通り正常な状態の債権をいう。
「減額債権」とは、約定に準じて早期回収を行なう債権。
「利息棚上債権」とは、利息を棚上げして早期回収を行なう債権を示している。
「貸倒債権」は貸倒れとなった債権であるが、「債権放棄」をしない限り顧客に対する請求権がある(この点が、「一般の業種で考えられている貸倒れの定義との相違である)。
貸倒準備金
バランスシート(貸借対照表)に計上する、将来の貸倒れ発生に備えて積み立てる準備金の残高のことである。
毎決算期ごとに、この準備金に対し、一定の積立金繰入れと積立金戻入れ(取崩し)を行なう。
貸倒償却
不良債権を決算処理のうえで、「損失」として処理することを指す。
わが国の税法では貸倒償却については、その処理基準が明確に成文化されていない。
一般的に税務当局は、「未収」が発生してから1年以上経過した債権については、償却を認めている。
また該当する顧客が死亡、行方不明などの場合には、6ヶ月経過した段階でも償却を認めている。
なお1年あるいは6ヶ月未満の不良債権でも、与信者側が債務者に対し「債権放棄通知書」を発行する場合は未収の発生時期にかかわらず貸倒償却が可能である。
貸倒引当金
期末の売掛金に対して、将来の貸倒れ(回収不能)による損失に備えるために、事前に期末残高に対する一定割合で積み立てておく資金のことである。
クレジット会社は「与信」企業であるため、未収金の発生は避けられず、貸倒引当金は売掛金に対するリスクに備えての積立てといえる。
貸倒引当金の経理基準は、法人税法では貸倒引当金について、一定の限度額を定め、その限度額以内の金額を損金経理により引当金勘定に繰り入れたときには、損金の額に算入することを認めている。
貸倒引当金勘定への繰入限度額の計算は、期末貸金の額に一定の繰入率を乗じて行なうが、この繰入率には業種ごとに定められた法定の繰入率(貸金業の場合は3/1,000)と、過去3年間の貸倒損失発生額に基づく実績率とがあり、企業は毎期ごとにいずれかを選択することができる。
貸倒率
総与信残高に対する不良債権の償却額の割合である。
総与信残高を期中平均で計算する場合(対期中平均残高貸倒率)と、期末残高で計算する場合(対期末残高貸倒率)の2つの方法がある。日本では期末残高を用いることが多い。
残高が増加している時は、対期中平均残高で算出した方が表示上の貸倒率は高くなる。
共同債権買取機構
いわゆるバブル経済の崩壊に伴ない金融機関が保有することになった不動産担保付きの不良債権の処理を促進することなどを目的として、1993(平成5)年1月に設立された株式会社である。
都市銀行、長期信用銀行、信託銀行の全行および農林中央金庫、全国信用金庫連合会と、生・損保、地方金融機関の一部などを含めた163金融機関が共同出資して設立した。
買取機構による不良債権処理の仕組みは、買取機構が株主(出資金融機関)から不動産担保付きの不良債権について、同社内に設けられた価格査定方法を決定し、それに基づき買取りを実行、担保不動産の売却などにより債権を回収するというものである。
当初の債権買上げに必要な資金は、当該債権を持ち込む金融機関が買取機関に融資することになっていたが、1998(平成10)年9月には持込み銀行の追加損失負担のない債権買取りが始まった。
なお2004(平成16)年3月に、すべての業務を終了して清算されている。
金銭債権
一定額の金銭を支払うことを目的とする債権である。
貸金はもちろん、商品の代金、賃金などもすべて金銭債権である。
利息の支払いを目的とする債権は利息債権と呼ぶ。
グレースピアリアド
返済期間は過ぎているが、すぐ支払えば遅延損害金などのペナルティを徴収されない範囲内の遅れの期間を指す。
口座振替
預金口座振替制度のことで、預金者の依頼に基づき、金融機関が指定きれた日に一定金額を預金者の口座から収納企業など他の預金口座へ振り替える仕組みをいう。
公共料金、クレジット利用代金、授業料などの支払いやローンの返済に利用される。
その前提として金融機関は預金者から口座振替依頼書を徴求し、収納企業との間で口座振替契約を締結する。
検索の抗弁権
保証人の有する抗弁権の1つで、保証人が債権者から請求を受けた場合に、保証人が主たる債務者に弁済の資力があり、執行が容易なことを証明してその請求を拒否できる権利である(民法453条)。
この場合、債権者はまず主たる債務者の財産につき執行しなければならない。
催告の抗弁権(同法452条)とともに保証人を保護する制度であるが、この両抗弁権とも連帯保証人には認められていない(同法454条)。
公信力
登記、占有などの表面に出ている事実を信頼して取引する者に対し、公示どおりの法律効果を生じさせる法律上の効力である。
日本の不動産登記は第三者対抗要件とされ、この公信力は認められていない。
焦付債権
回収不能、または回1捉見込みの薄い債権のことである。
債権担保
貸金業者や信販業者が用いる資金調達手段の1つで、営業債権を、借入金の担保にすることである。
債権差押え
債務不履行の場合において、債務者が第三者に対して有する金銭の支払いや動産の引渡しを目的とする債権を差し押さえることである。
債権執行ともいい、預金、売掛金、給料や貸金庫の内容物の引渡請求権などが対象となるのである。
債権の差押えには、債務名義に基づく裁判所の差押命令が必要となる。
債権者
債権を有する者である。
債務者に対して、債権の目的である特定の行為(給付)をなさしめることを請求する権利を有する者である。
債権者会議
債務者の債務処理を私的整理(任意整理・内整理)で行なう場合に開かれる債権者の集まりである。
債権者への情報提供や債務整理の基本方針の決定を行なうために開かれるが、債権者は会議への参加を強制されないし、会議の決議は不参加者や反対者に対して拘束力をもたないのである。
債権者取消権
債権者が自分の債権を保全するために必要な場合、債務者の行なった不当な財産処分行為を取り消して、その財産を債務者の一般財産に取り戻す権利である。
例えば、債務者の一般財産が債務者の全備務より不足しているのに、第三者に不動産を安く売ったりしたようなとき、債権者がこうした行為の取消しを裁判所に請求し、財産の取戻しを図る権利である。
債権者平等の原則
1人の債務者に複数の債権者があるときは、債権発生の原因、時期の前後などにかかわらず、すべての債権者は、その債権額に応じて債務者の総財産から平等に弁済を受けられるという原則である。
債権証書の返還
借用書を返還することである。
貸金業規制法22条においては、借金の弁済をした者に対し、貸し主に当該債権証書(借用書)の返還を義務づけているのである。
なお、民法では、弁済者は借用書・領収書等の返還・交付を請求することができるのである(民法487条、486条)。
債権譲渡等の規制
貸金業規制法24条の規定。債権の譲渡は、①貸金業者の廃業などにより同業者に譲渡される場合、②債権が金融機関からの資金調達の担保となっていて、貸金業者が倒産した場合、③取立て行為などを外部委託した場合、④債権の流動化により特別目的会社に譲渡された場合等があり、とくに昨今では③、④のケースが増加しているのである。
債権譲渡にあたっては、その譲渡の事実を債務者に通知する義務が課せられているほか、譲渡された側は、貸金業規制法に定められた書面の交付義務、取立て行為の規制などの法規制を受けることとなるのである。
債権棚上げ
金融機関等が、融資先を再建するためにとる支援策の1つである。
借入債務等の返済を一定期間猶予・据置きすることを言い、債権棚上げでも間に合わない場合は、債務免除を行なう場合もある。
債権の保全
融資先に貸し付けた金銭などの債権について、貸出先の倒産などによって回収不能に陥ることのないような手段を講じておくことを言い、具体的な方法は、担保権の設定、保証人の徴求、仮差押などがある。
債権の流動化
資金の固定化を防ぎ、資金を効率的に回転させることを目的として、債権を売買すること。
日本では、1973(昭和48)年に、大蔵大臣の諮問機関である金融制度調査会が住宅ローン債権の流動化の方針を打ち出したのが始まりである。
具体的には、抵当権付住宅貸付債権・地方公共団体向け貸付債権・一般貸付債権・金利滅免債権の譲渡、信託方式による住宅ローン債権・地方公共団体向け貸付債権・一般貸付債権の取扱い等が認められており、1997(平成9)年4月からは土地流動化策の一環として、さらに流動化の対象範囲が広がった。
催告の抗弁権
単純保証人に対して、債権者が債務の履行を求めてきたときに、「まず債務者に対して請求せよ」と主張し、その請求を拒むことができる権利(民法452条)。連帯保証人には、この催告の抗弁権が認められていないのである。
債務
ある特定の人(債務者)が、他の特定の人(債権者)に対して、金銭の支払いや物の引渡し、労務の提供などの一定の行為(給付)をなすべき義務。契約あるいは法律に基づいて発生するのである。
一般的には、借金、負債のことである。
財産管理
財産を「保存」(保管、修理、登記などをさす)したり、「利用」(賃貸、預貯金、投資など)したり、「改良」(増改築など)したり、「処分」(廃棄、売却など)したりすることをいうのである。
民法では、未成年者の法定代理人に対して、未成年者の財産管理に関する包括的な権限を与えているのである。
債務者
債務のある者。
債権者に対して一定の給付をなすべきである。
債務の引受け
乙の甲に対する債務を引受人の丙に移転する契約をいうのである。
旧債務者の乙は債務を免れ、新債務者の丙がこれに代わって、乙の有していた一切の抗弁権とともに、その債務を負担するのである。
債務不屈行
債務者が債務の本旨に従った履行しないことである。
①履行遅滞(履行可能なのに履行しない)、②履行不能(履行したくとも履行できなかった)、③不完全履行(履行はしたが内容が不完全である)の3つの態様があるが、通常は債務者の故意または過失により履行がなされない場合をきすことが多いのである。
債務者に責任がある場合は、債権者は不履行により生じた損害を請求できるのである。
詐害行為
債務者が債権者を害することを知りながらする法律行為である。
債権者がこの行為の取消しを裁判所に請求する権利を「債権者取消権」というのである。
差押禁止財産
債務者に属する財産であっても、強制執行の目的物として差し押えることを禁止きれている財産のことである。
民事執行法は、131条で動産について、152条において債権について差押禁止財産を規定しているのである。
いずれも、債務者の最低限の生活を保障することに主目的が置かれているのである。
残債
未払い(未回収)の残存元本のことである。
差押命令
債権者が申し立てた債務名義に基づいて、債務者の財産について、その処分を制限する裁判所の命令である。
債務者の所有している債権を、裁判所の管理下に置き、債務者がこれを勝手に処分できないようにするのである。
CMDセンター(加盟店総合情報交換制度)
クレジット会社が相互に加盟店情報を交換し、加盟店の不正販売行為による消費者被害の早期発見・未然防止と、不正販売行為発生後の被害拡大防止を図るための制度をいうのである。
1992(平成4)年から、通商産業省(現経済産業省)の指導を得て、(社)日本クレジット産業協会が主導する形で創設されたのである。
この制度を推進するために、東京・福岡・札幌にCMDセンター(クレジット・マネジメント・データセンター)を設置し、各クレジット会社による加盟店の審査や管理の制度向上に努めているのである。
簡単にいえば、カード会員に関する個人信用情報機関に相当する加盟店の信用情報管理制度であるのである。
会員数は140社、データは15万件を蓄積している(2001年3月末現在)。
会員が入手できる情報としては、①加盟店属性情報、②強制解約の有無、③調査登録事由、④販売トラブルの内容、⑤消費者クレーム状況、⑥悪質商法等がある。
重利
複利、発生利息を元本に組み入れることである。
民法においては、利息を勝手に元本に組み入れることができるのは、利息の支払いが1年以上延滞した場合で、しかも債権者が催告しても、債務者が支払わなかった場合である(民法405条)。
純可処分所得
自由裁量所得、可処分所得から必要生活費および既存債務返済費を指し引いた額であり、定量分析に用いる概念が有るのである。
準消費貸借
商品仕入れ代金や工事代金など、既に存在している何らかの要返済額を金銭消費貸借契約に切り替えることをいうのである。
金銭準消費貸借契約が成立すると、債務者の旧債務は消え、その代わり新たな債務が生じることになるのである。
その結果、例えば商入間の売掛債権の消滅時効期間は2年であるが、準消費貸借契約を結ぶと、この段階から商人間の金銭消費貸借の時効期間は5年となるのである。
商品引揚げ/商品引取り
割賦販売業者側に留保されている商品の所有権を、債務不履行時に担保行為として実行することである。
割賦販売法7条では、狭義の割賦販売(自社割賦)の場合は、指定商品(耐久性を有するものとして政令で定めるもの)の所有権は、購入者の賦払金の支払いが完了するまでは「割賦販売業者(売り手)に留保されると推定する」と定めているのである。
購入者が債務不履行の場合に、この「所有権留保」権に基づき、売り主が購入者から当該商品を取り戻すことを、「商品引取り(商品引揚げ)」というのである。
商品保全の仮処分
所有権を留保しているが、その商品が相手側に占有きれているため、買い主が第三者に売却したりするおそれがあるときに取る商品保全のための仮処分である。
具体的には、現在の原状を変えないことを条件に購入者に商品の使用を許可する仮処分、商品を所有権者側に引き取り、倉庫などの保管させる仮処分など、状況に応じてさまざまな対応方法がある。
請求期間
債務の履行を請求する期間である。
割賦販売法5条では、返済遅延の発生を原因として、債務者の期限の利益を喪失きせるためには、「20日以上の相当の期間を定めてその支払いを書面で催告し、その期間内に義務が履行されないときでなければ、賦払金の支払いの延滞を理由として契約を解除し、または支払時期の到来していない賦払金の支払いを請求することはできない」としているのである。
制限能力者
未成年者、成年被後見人、被保佐人および被補助人(民法16条1項の同意権付与の審判を受けた者)の総称である。
1999(平成11)年の民法改正(2000年4月1日施行)で改正きれた成年後見制度上の用語である(民法19条1項)。
改正前は未成年者、禁治産者および準禁治産者を行為無能力者または無能力者と呼び、親権者、後見人および保佐人による保護の対象としたのである。
整理回収銀行
1996(平成8)年9月、東京共同銀行を発展的に改組する形で設立された銀行である。
2000(平成12)年4月、住宅金融債権管理機構と合併し、整理回収機構(RCC)として改組されたのである。
セカンドモーゲージローン
借り手の所有する不動産に対し、第二抵当権を担保として設定して融資を行なうローンのことである。
損害賠償
不法行為、債務不履行などによって発生した不利益を除去するために課せられるものである。
原則として金銭の支払いとなるため、損害賠償=賠償金を意味することが多いのである。
なお、損害賠償の義務は不法行為または債務不履行という違法行為を前提としており、適法行為のもとで生じた不利益を補填する損失補填とは区別されるのである。
損害賠償額
契約違反、契約解除、物理的・精神的被害などに伴なう損害についての賠償の額である。
代金回収
売掛代金などを回収することである。
代行カード
百貨店など小売業者が、信販会社、銀行系クレジットカード会社などに代行発行させる自社ブランドのクレジットカードである。
会員募集は百貨店が行なうが、与信、回収など一切の業務は代行発行者の責任で行なうのである。
第三債務者
ある債権関係の債務者に対し、債務を負担する者のことである。
取引先の債権者からその取引先の預金(債権)を差し押さえられた場合の銀行がそれに当たるのである(民法481条、 511条,民事執行法144条2項)。
質権の設定された債権の債務者も同様である(同法364条1項, 367条3項)。
第三者弁済
主債務者以外の第三者が主債務者に代わって債務を弁済することである。
一般的な第三者は債権者および債務者の反対の意思表示がない場合、また、利害関係のない第三者は債務者の意思に反しない場合に弁済することができるのである(民法474条)。
弁済をした第三者は債権者の永諾を得て債権者に代位することができ(同法499条)、保証人や物上保証人(担保提供者)が弁済した場合は当然債権者に代位する点で異なるのである。
代物弁済
債務者が債権者の同意を得て、本来の債務の弁済に代えて、他の物(代物=Substitute)を債権者に譲渡、給付して、弁済と同一の効果を有することをいうのである(民法482条)。
かつては不動産担保について、「代物弁済の予約」や「停止条件付代物弁済契約」が行なわれ、その価値が債権額を大きく上回っても清算を必要としないなどの問題があったが、1978(昭和53)年6月の「仮登記担保契約に関する法律」により、債権者に清算義務を課すなどの規定が設けられたのである。
代物弁済の予約
代物弁済契約を将来の一定の時期に締結することを内容とする契約を言い、一般に債権担保の目的でなされ、債務者の債務不履行があると、債権者の予約完結の意思表示により目的物の所有権は債権者に移転するのである(民法559条、556条)。
仮登記担保法では、債務者および利害関係人の保護のため、意思表示後2か月の清算期間を経て所有権移転の効果が生じるものとしたものである(仮登記担保法2条)。
他社債権一括購入
他社からローン、クレジットなどの債権を一括購入することである。
一般に日本では、営業債権を第三者に売却しようとするクレジット会社(ローン会社を含む)は、資金繰りが行き詰っていたり、経営規模の縮小を図っている企業が多いのである。
このような企業から債権をまとめて購入する際には、債権内容の審査を慎重に行なう必要があるとされるのである。
単純保証人
借り手の債務を、貸し手に対して保証する人である。
単純保証人は、借り手の債務不履行により、債権者から弁済を請求された場合、まず債務者に対して催告をなすよう請求する権利(催告の抗弁権=民法452条)があり、さらに、主債務者に弁済の資力があり、かつ執行が容易であることを証明することにより、債権者に対して主債務者の財産に執行をするよう請求する権利(検索の抗弁権=民法453条)がある。
これに対し、連帯保証人については、こうした権利は認められていないのである。
担保
広義には、売り主の担保責任や損害担保契約のように、将来他人に与えるかもしれない不利益や損書の引当てとなるものをいうが、狭義には、連帯保証や抵当権の設定のように債務不履行に備えて債権者に提供され、債権の弁済を確保する手段となるものをいうのである。
保証や連帯債務などの人的担保と、抵当権や質権・譲渡担保などの物的担保とがある。
通常は「担保・保証」という場合のように、物的担保の意味で使われることが多いのである。
担保権
債務者の債務不履行の場合に備えて、債権者の債権を担保するために設定される権利のことである。
保証契約のように人(保証人など)に対する権利を人的担保、抵当権や質権などのようにある財産に対する権利を物的担保というのである。
「担保権の実行」というように、通常は後者の意味で用いられ、物的担保では特定の財産に対する優先弁済権があるが、人的担保では保証人などの一般財産を引当てとするもので優先弁済権はないのである。
担保権者
抵当権や質権などの担保権を有する債権者のことである。
担保権者は担保の目的物から、一般債権者よりも優先的に弁済を受けることができるのである(優先弁済権)。
担保権の実行
担保権者が担保権を行使し、目的物から債権の回収を図ることである。
例えば、抵当権者は裁判所に抵当物件の競売を申し立て、その売却代金から配当を受けることにより債権を回収するのであ(民事執行法181条以下)。
担保制度
担保権者が担保の目的物に関して、他の債権者に優先して弁済を受けることができる制度である。
債権者が複数の場合は、債権発生や差押えの順序に関係なく、それぞれの債権額に応じて平等に債務者の財産から弁済を受けるのが原則(債権者平等の原則)であるが、担保権者は担保の目的財産について優先弁済権を有し、その優先順位は担保権の設定の順位によるのである。
担保物権
その目的物の交換価値によって債権者の債権を担保することを目的とする物権をいうのである。
目的物の使用収益を目的とする地上権や地役権などの用益物権に対するものの、民法に規定のある先取特権、留置権、質権および抵当権のほか、仮登記担保法による仮登記担保、判例による譲渡担保などがあるのである。
担保余力
担保の目的物の評価額と、担保設定額または被担保債権額との差額をいうのである。
担保余力がある場合は、債務者はきらにその目的物を他の借入れのための担保とすることができるのである。
遅延損害金
支払い期限に遅延した場合に、損害賠償として法律上当然に支払うべき金員である。
法的には、「債務の不履行による賠償額の予定」(利息制限法4条)と言い、遅延損害金は、契約金利が利息制限法の範囲内の金銭消費貸借に対して認められている概念である。
その上限金利は、利息制限法の法定金利(年15%~20%)の1.46倍以内で、販売信用(個品割賦など)における遅延損害金(割増金利)の上限は割賦販売方で年6%(法定利率)と定められているのである。
チャージバック
クレジットカード発布会社(イシュアー)が加盟店契約会社(アクワイアラー)に対して、加盟店の手続上の不備等を理由に、当該カード売上げの取消しを要求することである。
具体的なケースとしては、加盟店側がフロアリミット以上のカードショッピングに対してオーソリゼーションを求めなかったり、無効カードに対して売上げを実行してしまった場合などである。
通常はカード会員から事情を聞くなど、事実関係をよく調査し、カード売上げに瑕疵が認められた場合に行なうのである。
抵当ローン
担保として不動産への抵当権の設定を条件に行なう金銭の貸付である。
一般に、中・高額、長期、低金利のローンが多いのである。
転付命令
債務者の第三債務者に対する金銭債権が差し押えられた場合、支払いに代えて、債権をその額面で差押債権者に移転するという執行裁判所の命令のことである。
転付命令が確定すると、それが第三債務者に送達された時点で、転付債権が額面で差押債権者に移転する。
差押債権者の債権は転付の限度で消滅する。
督促手続
督促の手続きは、一般には電話、電報、郵便、訪問など様々なやり方がある。
わが国では、貸金業規制法21条(取立て有為の規制)で、「人を威迫しまたはその私生活若しくは業務の平穏を害するような言動により、その者(債務者)を困惑させてはならない」と規制している。
また、同法に基づく大蔵省銀行局長通達(昭和58年9月30日付)で、「正当な理由なく午後9時から午前8時まで、その他不適当な時間帯に、電話で連絡し、もしくは電報を送達し、または訪問すること」などについての細かな禁止項目を定めている。
特定債権法
正式名称は「特定債権等に係る事業の規制に関する法律」である。
1992(平成4)年制定、1993年6月に施行された。
「リース・クレジット債権流動化法」とも呼ばれる。
リース料債権や割賦債権等の「特定債権」に限定して、資産流動化・証券化(セキュリタイゼーション)を図るもので、割賦債権にはクレジットカード債権や自動車ローン債権などが含まれる。
1996年4月に改正され、特定債権担保証券(ABS)の国内発行が可能になった
取立て業者
与信者から委託または債権の譲渡を受けて、債権の取立て回収を行なう業者である。
取立て行為の規制
債権の回収行為に関する規制である。
貸金業規制法21条で、「債権の取立てをするに当たっては、人を威迫しまたはその私生活もしくは業務の平穏を害するような言動により、その者(債務者)を困惑させてはならない」としている。
また、1983(昭和58)年9月30日の大蔵省銀行局長通達第2項第3号「取立て行為の規制」は次の通りである。
①貸金業者または、債権の取立てについて委託を受けた者は、債務者、保証人等を威迫するような次のような言動を行なってはならない。
(イ)暴力的態度
(ロ)大声をあげたり、乱暴な言葉を使ったりすること
(ハ)多人数で押しかけること、等
②債務者、保証人等の私生活または業務の平穏を害する次のような言動を行なってはならない。
(イ)正当な理由なく、午後9時から午前8時まで、その他不適当な時間帯に電話で連結連絡し、もしくは電報を送達し、または訪問すること
(ロ)反復または継続して、電話で連絡し、もしくは電報を送達しまたは訪問すること
(ハ)はり紙、落書き、その他いかなる手段であるを問わず、債務者の借入れに関する事実、その他プライバシーに関する事項等をあからさまにすること
(ニ)勤務先を訪問して、債務者、保証人を困惑させたり、不利益を被らせたりすること
③その他債務者、保証人等に対し、次のような行為をしてはならない。
(イ)他の貸金業着からの借入れまたはクレジットカードの使用等により弁済することを要求すること
(ロ)債務処理に関する権限を弁護士に委託した旨の通知、または調停その他裁判手続きをとったことの通知を受けた後に、正当な理由なく支払請求をすること
(ハ)法律上支払義務のない者に対し、支払請求をしたり、必要以上に取立てへの協力を要求すること
(ニ)その他、正当とは認められない方法によって請求したり、取立てをすること
この通達は1998(平成10)年6月に廃止されたが、その内容は金融庁事務ガイドラインに引き継がれている。
取引停止処分
6ヶ月以内に2回の不渡り手形を出した企業に対して、手形交換所参加金融機関がとる制裁措置である。
取引停止処分になると、2年間は、手形交換所参加銀行との「当座取引」および「貸出取引」が禁止される。
任意整理
経済的窮境に陥った個人や会社が、破産や民事再生、商法上の整理などの法的整理手続きによらず、債権者との話し合いにより債権債務の清算を行なうことである。
私的整理または内整理ともいう。
法的整理に比べて簡易・迅速な整理方法であるが、債権者の公平が害されるなどの弊害も指摘されている。
消費者信用の分野では、延滞に陥った債務者に対して業界団体などが相談に乗り、法的整理手続きによらずに債務整理を行なうことを任意整理ということがある。
具体的には、
①貸し手と借り手の話し合いにより、可能な範囲内での返済計画を立てる。
②借り手が第三者に返済計画の相談をする。
例えば、親族、知人など私的な第三者のへ相談、あるいは各都道府県の貸金業協会や消費生活センターなどの相談窓口を利用するなど。
なお、貸し手と借り手の双方における任意的な手続きによっても解決がみられない場合は、法的整理手続きへと移行する。
任意ゾーン
利息制限法の上限金利以上で、出資法の上限金利以内の金利水準である。
貸金業規制法の規定により、任意ゾーンの金利を支払った時は、「有効な債務の弁済とみなす」(みなし弁済の規定)としている。
任意売却
担保の目的物を法定の手続きによらず任意に売却し、担保権者がその売却代金から優先的に債権を回収することである。
この場合、同時に担保権は解除される。
民事執行手続きに基づく競売に比べて少ない費用で迅速に売却することができるが、不動産など所有権移転登記の必要なものについては、所有者、担保権者等の利害関係人の合意がなければこの方法はとれない。
任意処分ともいう。
任意破産
裁判所に対して、自ら破産を申し出て破産宣告を受けることである。
根保証
継続的取引契約に基づいて発生する、不特定多数の債務(債権)についての保証をいう。
普通の保証が現在または将来の特定の債務を保証するのに対して、根保証は増減変動する債務を保証するもので、保証限度額、保証期間を定ない包括根保証とそれらの両方またはいずれかを定める限定根保証とがある。
根保証は民法には規定がないが、判例では認められており、根抵当に関する規定が適用もしくは準用されることがある。
いわゆる商工ローンをめぐって、この根保証契約を悪用して保証人に過酷な取立てを行なうなど新たな社会問題となり、2000(平成12)年6月施行の貸金業規制法改正法により、契約内容や債務額の異動などを保証人に告知する義務などの強化が図られた。
ノン・リコース
求償権のないこと。
信販会社の債権買取りのように、リスク負担を債権買取り側で受け持つことで、ウィズアウト・リコースともいう。
歩積み/両建て(ぶづみ/りょうだて)
金融機関が手形割引または手形担保貸付に際して、割引額や預り金の一部を預金として留保する場合を歩積み、貸出金の全部または一部の担保もしくは見返し・見合いとして貸出金と併有して預入れさせる場合を両建てという。
それぞれ歩積預金、両建預金ともいう。
債務者は実際に使用できる資金よりも多額の債務を負い、表面金利を上回る実質金利を負担する結果となるなど弊害が大きいことから、大蔵省通達により金融機関の自粛措置の対象とされていた。
この通達は1989(平成元)年6月に廃止され、現在は金融庁の事務ガイドラインに「過当な歩積・両建預金を受け入れないための措置を講じているか」が、金融機関の健全性に関して報告を求める場合の着眼点として示されている。
弁済
債務者が債権の内容となっている給付を実行して、その債権を消滅させることである。
金銭債権の場合は金銭の支払いと同義である。
弁済は相殺、更改、免除、混同とともに民法の債権消滅方法である。
弁済期
債務者が債務の弁済をなすべき時期(期限)のことである。
金銭債務で弁済期が確定しているときは支払期日ということが多い。
弁済期日ともいわれる。
弁済期は原則として債務者の利益のために定めたものとされ、債務者は弁済期前でも期限の利益を放棄して弁済をすることができる(民法136条)。
輔佐人(補佐人)
民事訴訟において当事者や訴訟代理人に付き添って裁判所に出頭し、これらを補佐して訴訟行為を行なう者のことである。
特別の事件について、専門家などに説明をしてもらうときに多く用いられる。
当事者や訴訟代理人が輔佐人とともに出頭するには、裁判所の許可が必要である。
輔佐人が述べたことを当事者や訴訟代理人がすぐに取り消したり訂正をしないときは、自分でそれを述べたものとみなされる。
保証債務
保証人が保証契約に基づいて負担する債務のことである。
保証債務は主たる債務(被保証債務)と同一の内容の従たる債務で、主たる債務が履行されない場合に代わって履行する内容の債務である(民法446条)。
保証債務は従たる債務として、①主たる債務の発生、移転、消滅に従って発生、移転、消滅し、②その目的や態様が主たる債務よりも重いときは主たる債務の限度に縮減される(同法448条)。
このような性質を保証債務の附従性という。
未収金
納入されていない返済金のことである。
クレジット業界で「未収金」という場合は、「期限到来債権の未収金=遅延債権」、すなわち支払期日に債務者から約定どおり返済を受けられなかった請求金をさす場合が多い。
免責の申立て
個人破産の手続きにおいて、裁判所から「同時廃止」の決定を受けた破産者が、すべての既存債務について責任を免れるために行なう申立てである。
債権
ある特定の人(債権者)が他の特定の人(債務者)に対して、特定の行為(給付)をするよう請求できる権利のことを指す。
返済を要求する権利のある貸金(貸金債権)のことをさす場合が多い。
債権回収
貸し出した債権を回収するこというのである。
いったん貸倒償却をした後で回収することをとくにrecoveries(償却済債権の回収)というのである。
債権回収業務を遂行する際には、貸金業規制法の回収規制を遵守する必要がある。
債権回収業務
消費者信用の債権回収の具体的なステップは、①最初に電話による連絡・情報収集を行なう、②電話で連絡が取れなかった場合は、郵便による連絡を行なう、それでも連絡の取れない場合は、居住地確認・勤務先の再調査等を実施し、本人と面談するの。
やむをえない事項により返済が滞った顧客に対しては、業界各社や業界団体などが債務整理の相談にのるが、貸し手と借り手の双方における任意的な手続きによっても解決がみられない場合は、法的な手続きへと移行する。
法的な手続きには、訴訟、調停、民事執行、破産(個人破産)、民事再生(個人再生)などがある。
債権買取り
企業の売掛債権を買い取り、管理・回収などを行なうことを言い、「ファクタリング」とも呼称する。
信販業界では、個品割賦購入あっせん契約のことを伝統的に「債権買取り」と呼ぶことがあるが、法律的には「債権買取り」ではなく「立替払い」であり、厳密な意味でのファクタリングとは本質的に異なる。
厳密なファクタリングとは、ファクタリング会社の意思とは別個に、すでに発生し、存在している売掛債権を、ファクタリング全社が「事後的」に買い取ることを指す。
債権管理
債権残高の内容(返済状況、増減など)を経済的・法律的に管理することである。
クレジット会社で「債権管理」という場合は、一般に不良債権の管理または不良債権の回収業務のことをいう場合が多い。