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クレジットカードの業界知識:一覧



個人信用情報

個人の属性情報(氏名、生年月日,住所等)と個人の返済能力等に関する情報である。
後者には、クレジット利用の現状、過去の利用状況、返済実績などに関する情報、破産宣告等の公的記録がある。


ローンやクレジットを申し込んだ顧客に対し、企業側が適正な信用供与を行なうための判断材料となる。

スコアリングシステム

消費者の「信用」をデータから計数的に判断するシステムである。
クレジット申込者の属性情報(年齢、居住状況、勤務形態、年収など)、信用情報機関による既存借入れ金額・件数などの情報をもとに、支払い可能レベルを予測しその信用度合いに応じて信用供与(与信)するのである。


コンピュータシステムにより自動与信を行なうのが一般的となっているのである。
システム構築は既存顧客データのリスク発生実績に基づいて作られ、また、属性情報によるスコアリングは経済環境などにより変化するため、直前のリスク発生データを元にスコアを洗替えしていく人工知能導入型システムも増えているのである。


なお、スコアリングとは「採点」することの意味である。

全国信用情報センター連合会(全情連)

各地の消費者金融業者が設立・運営している、個人信用情報交換所(全国33ヵ所)の連合体である。
大阪地区のレンダースエクスチェンジが第1号で、1972(昭和47)年8月設立、全情連の組織化は1976(昭和51)年9月である。

国際カードと国内カードの提携関係

国際クレジットカードと呼ばれているものは、すでに述べたようにVISAインターナショナル、MasterCardインターナショナルの二大ブランドにアメリカン・エキスプレス・インターナショナル、ダイナースクラブ・インターナショナル、JCBインターナショナルの3ブランドを加えた五つが一般的である。


この国際カードと国内カードの間には、一般の消費者にはわかりにくい複雑な提携関係が結ばれている。
カード会社の人間でもときどきわからなくなるくらいである。


たとえば、OMCカードは、VISA、マスターカード、JCBの3ブランドと提携している。


国際カードのシェアは、会員数でみると、VISAが約10億人、マスターカードが約6億人、アメリカン・エキスプレスが約5700万人、JCBが約4800万人となっている。


VISAとマスターカードの二大ブランドでカード会員は16億人にも達する(2002年末)。
これに続くアメリカン・エキスプレスとJCBを合わせても1億人でしかない。


この数字からみても想像がつくように、クレジットカードのインフラに関する国際標準(グローバルスタンダード)は、VISAとマスターカードの二大ブランドが握っているといっても過言ではない。


たとえば、国際デビットシステムであるVISAの「Electron」、マスターカードの「Maestro」、国際ATMネットワークシステムであるVISAの「PLUS」、マスターカードの「Cirrus」についても然りである。


国内ブランドをもつカード会社が、国際化の名のもとにVISAやマスターカードの発行ライセンスを取得し、国内ブランドカードに、こうした国際ブランドマークを付帯させたときから、ことカード決済における国内ブランドのもつ意味は消失し、国際ブランドを通じた決済が一気に拡大することとなってしまった。


いずれにしろ、VISAとマスターカードという国際カードの二大ブランドが業界に与える影響は大きく、この二大ブランドの新たな動向にはとくに注意をしておく必要がある。

年会費の安い流通系力ード

クレジットカードの年会費は、一般的には1250円(税別)である。
月額に直せば約100円である。
これをタバコ代やストッキング代より安いと思うかどうかが、年会費に対するカード利用者の意識の分かれ目である。


ドケチを自称するNさんがもっているのは、年会費が無料の流通系クレジットカードである。
現在のところ年会費無料であるクレジットカードは、セゾンカード(VISA/MasterCard/JCBと提携。以下同)、東武カード(VISA/MasterCard/JCB)、ジャスコカード(VISA/MasterCard/JCB)などである。


また、OMCカード(VISA/MasterCard/JCB)や東急TOPカード(VISA/MasterCard)は無料ではないが、年会費は1000円と他のクレジットカードより割安となっている。


流通系クレジットカードの年会費無料は、販売促進策の一つとなっており、消費者が系列店舗でカードを利用して買い物をしてくれれば、年会費が無料でも十分やっていけるという判断である。
つまり物品販売店舗をもっているということが強みとなっている。


しかし、他のクレジットカードであっても、カード会員情報誌に掲載した商品や情報サービスなどの通信販売を一つの店舗と考えるならば、そこで買い物をしてくれれば、物品販売手数料などが入るし、さらに請求書をEメールにして郵送コストを削減するなどで、カード年会費くらいは捻出できるのではないだろうか。


ただ、年会費が無料ということでカードを所有してもらっても、一度も使われない休眠(スリーピング)カードとなってしまったのでは意味がない。
カード各社は知恵を競い合って、カードの利用特典を付加することでカードホルダーの利用促進を図っているのである。


たとえばセゾンカードは年に数回、西武百貨店や西友での5~30%割引セールに招待したり、東武カードは、東武池袋店での買い物を3%割引にしたり、優待セールに招待したりしている。
ジャスコカードも、年二回ジャスコ店舗での割引セールに招待するといった特典をつけている。
OMCカードは、コンビニのローソンでも利用でき、東急TOPカードは東急系列店で3~5%割引、その他の加盟店でも3~30%割引で利用できるという特典がついている。


流通系クレジットカードのカード発行枚数は銀行系カードの9228万枚に次ぎ6871万枚で、信販系カードの6179万枚、メーカー系カードの923万枚を上回っている(2002年3月末)。
その理由としては、「系列店舗での優待割引」という特典サービス面で大きな目玉があること、系列企業以外との提携カード拡大が効を奏したことなどがあげられる。

カード犯罪の検挙数は年間3000件を超える

クレジット先進国である欧米では、カードの製造工場を襲って生カードを大量に奪い、それを一斉に使うといった組織的で大掛かりな犯罪や、カードが郵送される途中で、封入された郵便物ごと郵便局員が奪うといった犯罪も起きている。
また、東南アジアでは、カード加盟店が観光客のカードを店の奥で何枚も伝票にインプリント(架空のカード売上伝票を作成)し、帰国してみたら買い物額以上の請求が何件もきたというケースや、最近ではカードの情報を盗み取ってコピーするスキミングと呼ばれる犯罪も発生している。


カード犯罪で最も多いのはクレジットカードに関する犯罪である。


他人のカードを使ってクレジットカード会社のCD(現金自動支払機)から現金を引き出すと、クレジット会社に対しての「窃盗罪」が成立する。
また、支払い意思も能力もない者がカードで商品を購入すれば、加盟店に対して「詐欺罪」となる。
これはショッピングクレジットの場合も同じである。


1981年の福岡高裁の判決では、「利用客に代金を支払う能力がないことを加盟店が知れば、クレジットカードによる取引を拒絶しなければならないことは信義則上当然のことであるから、被告人(カード会員)が、信販会社に対して立替金等を支払う意思並びに能力もまったくなかったのに、クレジットカードを使用した以上、加盟店に対する関係で、カードの使用自体が支払い意思、能力があるように仮装した欺罔行為と認めるのが相当であり、その事情を知らない加盟店から財物の交付を受け、若しくは財産上の利益を得る行為は詐欺罪に当たる」としている。

高度化するカード犯罪とその対策

カード犯罪の認知件数は、さほど多くないと思われるかもしれない。
これは、被疑者が明らかにされ、加盟店などから告発等がなされたケースを中心としたものだからである。


最近のカード犯罪は、その手口が高度化しているため、「認知」されないケースも多いようである。
認知件数に対する検挙件数の割合が低くなっていることからも、それがわかる。


たとえば、最近増えているのが「スキミング(skimming)」である。
これは、カードの裏にある磁気テープに記録してある個人データを、そっくりそのままコピーして盗み取る手口である。


具体的には、手のひらサイズの機械「スキマー(skimmer)」を使ってデータをコピーし、その後でパソコンでデータを読み取り、偽造カードに盗み取ったデータを再コピーするという方法である。
それ以外にも、お店のレジの近くにあるCAT(Credit Authorization Terminal)と呼ばれるカード決済の端末機そのものにスキマーが設置されている場合もある。


いずれの場合も、カード所有者には気づかれずに一瞬のうちにデータを盗むことができるのが特徴である。


スキミングされたデータは、まったく同じカードを偽造するために利用され、その偽造クレジットカードで高額商品を購入し、購入した商品はその後に現金化されることになる。
購入代金の請求がきてはじめて、カード所有者は自分のカードが偽造されたことに気づくというわけである。


これに対して、カード業界でもさまざまな対策を立てている。
たとえば、不正使用防止のために不正利用検知システムの導入などを図り、普段、少額な買い物しかしていない人が、突然、高額な買い物をしたりすると、本人でない可能性が高いとシステムが判断し、カード利用の承認をいったん止める。
そしてカード会社は、カード利用時に直接本人と電話で話をするなどして本人確認および購入意思確認を行なっている。


もし身に覚えがない請求を受け取った場合には、すぐにカード会社に連絡することが大切である。
一般的に、クレジットカードには「盗難保険」が自動付帯されているので、カードが盗まれたり、不正利用された場合には、すぐに警察とカード会社に「紛失・盗難届」を出すことが重要である。
これを怠らなければ、不正に利用された分については、盗難保険でカバーされることになる。
ただし、なかには保険が付帯されていないカードもあるので注意を要する。


カード所有者としては、付帯保険の有無や適用範囲をよく理解し、カードの請求書についても明細をチェックし、一定期間は保存するのがよいだろう。

ブラックリスト

情報化社会の現在では、消費者金融会社や銀行、信販会社やクレジットカード会社などからお金を借りたり、クレジットで買い物をした場合には、利用者の利用データや履歴がコンピュータに登録され、管理されることになる。


返済日を一日忘れたくらいなら大丈夫だろうと、ちょっと油断しただけでも相手はコンピュータである。
しっかりと「一回遅延した」というあなたのクレジット・ヒストリー(履歴)は記録として残るということを覚えておいてもらいたい。
こうした膨大な量のクレジットの利用記録を集中的に扱っている機関が、個人信用情報センターである。


登録されている情報は、①氏名や生年月日、住所などの「利用者個人を識別する情報」、②取引種類、消費者ローン取引情報(使途、形態区分、金額、実行日、最終返済日)および月末日現在の残債額などの「与信(契約)に関する情報」、③事故内容(延滞、延滞回収、代位弁済、強制解約、取引停止処分、一回目不渡等)および延滞・延滞回収の月末日現在の残債額などの「事故情報」、④照会記録や苦情などの「その他情報」である。


わかりやすくいえば、どこの誰が、どんなローンを利用し、支払い状況はどうだったかという情報である。
したがって、返済が滞ったり、貸し倒れになったり、自己破産したなどのように個人の信用や信頼性を著しく欠き、クレジット会社に迷惑をかけたというマイナス情報が登録されることが、「ブラックリストに掲載される」ということなのである。


データの登録期間は個人信用情報センターと登録内容によって異なるが、通常5年から7年の間登録されている。
つまり、マイナス情報がいったん登録されると、5年から7年の間は、新規にお金を借りたり、クレジットカードを利用することはできなくなるわけである。


もし、カード利用を拒否されてしまったようなときは、自分自身の登録情報を確認することができる。
これは結構簡単で、運転免許証などの本人を確認できる資料や印鑑を持参のうえ、最寄りの個人信用情報センターに出向いて、登録情報内容開示申請書(申込書)を提出するだけでOKである。
費用は無料となっている。
そのほか郵送による登録情報内容開示の申込方法もある。


登録されていた情報を確認して、その情報が事実であればしかたがないが、①事実であっても、登録期間を超えているものは消去してもらうように請求する、②情報が事実と異なっている場合には、訂正または削除の請求をする、ことができる。


個人信用情報センターは、もともと多重多額債務を防ぎ、健全なクレジット利用を推進するために設立されたものである。
個人信用情報は、銀行やクレジット会社などから毎月、利用顧客のデータが集められ、常に最新のデータに更新されている。

信用調査ではなにを調査するのか

「信用調査」というとどうしても堅苦しいイメージになってしまうが、要は無担保で個人の信用(個性)に対しての与信を行なうのがクレジット会社の役割である。
だから信用調査は、その個人、まず実在する人物であるのかどうか、ということがチェックされる。


氏名、生年月日、住所、電話番号を参照しながら、利用履歴の有無や遅延履歴の有無、住宅地図確認、電話番号登録確認、独自データベースによる本人確認などのチェックが行なわれる。
この作業を機械化している会社では、それを機械による「自動与信」などと呼んでいる。


また、銀行などでは信用調査のスコアリング(申込者の年収や職業によって点数をつけて信用度合いや返済能力をランクづけすること)を行なうことで、与信判断の材料としている。
信用調査の基本は、その個人の人柄や個性や、約束を守れる人物であるかどうか、モラルの高い人なのかどうかといった極めて感性的で定性的なものである。


年収や職業などは固定したものではないので、旧態依然としたスコアリング方式だけでは、適切な与信や顧客の囲い込みを行なうことは不可能だろう。
個人の人間性までも正確に判断できるような、新しい信用調査方法が開発されてはじめて、与信のノウハウが構築できたということができよう。


また、銀行などの金融機関の信用調査が、審査から申込者をふるい落とすことを主眼に作られたものだとすれば、クレジット業界においては、少なくともそのような金融機関と同じことをするのは避けなければならない。
クレジット業界は、金融機関にできないようなことに前向きにトライするチャレンジ精神がウリなのだから、性悪説の立場よりも性善説の立場に立って物事を進めていかなければ、業界の存在意義さえ失ってしまうかもしれない。


信用調査に一週間や二週間といった時間をかけることなくクイックレスポンスを行なっていくこと、また、できる限り申込者の要望に沿えるように審査のしくみを構築していくことが、信用調査における顧客満足度を向上させるための重要な課題である。


現在のあり方に妥協してしまうのではなく、常に、より最善の未来を作り上げていこうという姿勢で日常業務に取り組んでいくことが、クレジット業界の業界らしさなのである。


最近はクレジット会社が銀行ローンの保証業務を担うケースも増えている。
本来なら銀行が行なうべき信用調査という重要な仕事を、クレジット会社にアウトソーシングしているのである。
とくに融資商品においては、競争や差別化をめざしながら、実際は競争も差別化もできていないという現象が起きている。


そんな今こそ、新しい信用調査のあり方を真剣に検討すべきである。

自動契約機のしくみと手続き

業界初の自動契約機「むじんくん」を消費者金融大手のアコムが新宿と博多に設置したのは、1993年のことである。


その後、1995年からは、「むじんくんコーナー」の全国展開が開始され、1998年には「むじんくん」を集中管理する「地域サービスセンター」が設置され、最近ではインターネット上で申込み操作が完了し、契約のみを「むじんくん」で行なうようになっている。


「むじんくん」における契約の流れは、次のようになっている。


利用者が来店し、「むじんくん」の前に着席すると、センサーとカメラを通じて地域サービスセンターの担当者につながるようになっている。
実際には、無人とはいっても遠隔操作によって対面与信を行なうシステムなのである。
手続きは以下のとおりとなっている。


①申込書記入、②申込書取込み(書画カメラ)、③本人確認(免許証、健康保険証、身分証明書等を書画カメラ、本人確認カメラ、タッチパネル入力)、④住所入力、⑤待ち時間、⑥暗証ナンバー入力、⑦契約書記入、⑧契約書取込み(書画カメラ)、⑨契約書お客さま控え発行、⑩離席・退店(店内監視カメラ)。


申込みからカード発行までは通常、30~40分である。
カードが発行されたら、ATMコーナーに行って、カード(マスターカードの機能もついて入会金、年会費は無料)を挿入して利用金額と暗証番号を打てば即日融資が受けられるというしくみである。

偽造カード防止のためのICカードの導入

年々増え続けるクレジットカードの不正使用の被害額は、約300億円に達しようとしている。
そのうち偽造カードによる被害額が6割近くを占めている。
また、偽造カード被害額の9割は国内での被害である。


このようなクレジットカードの偽造被害対策として、クレジットカード業界にとっては念願の刑法改正が行なわれた(2001年)。
これまで犯罪とされていなかった、偽造カードの所持や、カードの電磁的記録情報の不正取得などの行為についての刑罰が法制化されたのである。


一方、クレジットカード業界の自助努力としての偽造被害対策の柱として提案されたのがICカードの導入である。
ICカードは、従来の磁気カードと比べて偽造されにくいというメリットがあるからである。


クレジットカード業界では、2004(平成16)年よりICカードへの本格的な移行を開始することを決定している。
一方、全国銀行協会においても、キャッシュカードのICカード化のための標準仕様に関する検討が進められている。


不正使用が起きている加盟店での被害状況をみると、一般的な傾向としては、大規模小売店での不正使用が減少傾向を示しているのに対し、換金性の高いブランド品や貴金属などを扱う家電量販店での比率が上がってきている。
また、ガソリンスタンドや高速道路における被害も依然として多い。


百貨店における被害の減少は、百貨店の取組みが効果を上げてきたものである。
百貨店同様に、それぞれの加盟店においても被害を最小限に抑えようとする試みがなされなければ、刑法改正やICカードの導入だけでは意味がない。


今後は、社会全体のセキュリティという観点からも、カード会社、加盟店、警察(自治体)等との協力体制が重要になってくるだろう。

カードの申込みもインターネットでできる

いまや、インターネットを利用して簡単にクレジットカードが申し込める時代となった。


これまでクレジットカードの申込みといえば、①カード会社に連絡をし、②カード申込書を送付してもらい、③申込書に必要事項を記入し、口座振替依頼書に銀行印を捺印してカード会社に送付、という流れだった。
その後、審査を経てカードが届くまでには3週間から1か月もかかるなんていうこともザラだった。


それが、いまではインターネットを通じて、①カード会社を検索し、②カード申込書ページを開き、③申込欄に必要事項をキーボードから打ち込めば、カード会社が指定した銀行の口座をもっていれば、銀行印を捺印せずに申込みが完了するというわけである。


コンピュータを使った電子署名や電子認証をリアルのサインや証明書に代替することができるようになったこと、これが新しい時代の技術がもたらしてくれた進歩である。


具体的な手続きはクレジットカード会社により異なるが、それぞれのクレジットカード会社のホームページには入会申込案内が掲載されている。


このような業務(ネット入会等)が可能になったのは、2001年4月より施行された「電子署名および認証業務に関する法律」によるところが大きい。


これにより、電子署名が手書きの署名や押印と同等に通用する法的基盤が整備されることとなったのである。
また、認証業務のうち一定の水準をみたすものは、国の認定を受けることができる制度も導入された。


この電子署名法の概要は、大きく分けて二つからなる。


①電磁的記録の真正な成立の推定


電磁的記録(電子文書等)は、本人による一定の電子署名が行なわれているときは真正に成立したものと推定する。


これにより、手書き署名や押印と同等に通用する法的基盤が整備されることになる。


②認証業務に関する任意的認定制度の導入


認証業務(電子署名が本人のものであることなどを証明する業務)に関し、一定の水準(本人確認方法等)をみたすものは国の認定を受けることができることとし、認定を受けた業務についてはその旨表示することができることとするほか、認定の要件、認定を受けた者の義務等を定める。


これにより、認証業務における本人確認等の信頼性を判断する目安が提供されることになる。

加盟店の共同開拓

DCカードと三井住友カードは、それぞれが設置する端末でICカードのポイントサービスを共通で利用できる環境を整えることに合意し、ポイントサービスの利便性向上を図っている。


両社が合意した背景には、ICカードの普及を促進するためにはポイントサービスが有効であり、コストがかかるインフラ整備を共同で行なえばコスト削減にもつながり、さらにはインフラ整備のスピードも早まり、それが業界全体のメリットにつながるという判断がある。


具体的には、両社が独自に会員に提供するポイントサービスを、両社が加盟店に設置するICカード用の端末である「SG-T」「INFOX」間での共通利用を可能にするというものである。


このようにカード会社が共同でインフラを整備していく動きは、これからも増えていくだろう。
というのも、メガバンクの誕生により金融機関の再編成が行なわれ、その波がクレジットビジネスにも波及しているからである。


スケールメリットの活用が、クレジット産業の生き残りのキーワードの一つであるが、加盟店開拓においても、スケールメリットを活かすべく共同開拓する動きがスタートしている。


たとえば、三井住友カードは加盟店開拓などを担当する営業代行会社を設立し、同社の加盟店部門を分社化し、主に加盟店のレジ周辺に設置するCATなどの照会端末の設置や管理などの業務委託を行なっている。
具体的には、①新規加盟店開拓、②加盟店への照会端末配布や加盟店手数料設定交渉などの管理業務、③加盟店向け配布資料などの作成・管理、④加盟店獲得代理店の管理、⑤加盟店情報の収集、などである。


クレジットカード会社にとって、加盟店開拓はキーとなる業務であるが、たとえばバーやクラブ、パブやレストランなどの飲食店を開拓するためには、時間的制約があり、通常の営業時間帯で勤務している一般社員が開拓していくには多くの困難を伴っていた。


そこで、このような加盟店開拓の専門会社を設立することで、パートやアルバイト、派遣社員や歩合制による契約社員などを活用した加盟店開拓業務の効率化を図っている。
しかも1社で開拓するよりは、数社まとめて開拓したほうが効率的である。
また、業務知識やノウハウをもったOB等の活用など新たな雇用の確保にもつながる。

クレジット業界の未開拓市場

大きな視点からみれば、クレジット市場にとっては、クレジット以外での決済、つまり現金決済の分野こそ未開拓の新規市場であるという見方ができる。


クレジット市場は、すでにわが国の個人消費の4分の1(約74兆円)を超え、まさに消費の牽引車としての役割を担っている。
しかし、個人消費の残りの4分の3(約212兆円)はクレジット以外の何らかの手段で決済されている。
つまり、クレジット業界にとっては、膨大な未開拓市場がいまだに存在しているということなのである。


たとえば不動産分野でも、賃貸マンション等の家賃決済でカード決済やクレジット決済などがはじまっているが、まだまだごく一部に限定されている。


たとえば、月額約9万円のワンルームマンションの家賃決済をクレジットカードで行なうとすると、マンションに2年住むと仮定して計算した場合、「9万円×24か月=216万円」という金額がカード決済されることになる。
これは、わが国のカード1枚当たりの年間決済金額の約17倍に相当する。


さらに、この金額をいまはやりのカード決済のポイント(100円で1ポイント)を計算すると2万1600ポイントとなり、さらにそれを航空会社のマイレージと交換すると2万1600マイルが自動的に貯まることになる。


つまり、マンションに住んでいるだけで、2年に1回、無料でアジア路線の往復航空券を入手できることになる。
このようなしくみがすでに現実化されているので、うまく利用しない手はないだろう。


これ以外にも、未開拓の分野はとくに公共および民間のサービス分野に多く見受けられる。
具体的には、病院、介護、福祉、公共料金、税金、駐車場、給食代金、冠婚葬祭、教育など、消費者の日常生活に関連した分野を見渡すだけで、未開拓市場が発見できる。


これらの市場を開拓していくためには、カード会社だけの努力ではどうしても限界がある。
カード利用者が「こんな場所でもカードが利用できるようにしてほしい」というニーズを、声を大にして、サービスを提供している企業などに伝えていくことである。


「えっ、ここではまだカードが使えないの?何とかならないものかしら」と口癖のように伝えていくことで、ようやく担当者の重たい腰が上がり、「消費者の利便性向上のため」という大義名分のもとに「できる限り早く、クレジットカード決済の導入を図るようにいたします」という返事がもらえるようになるのである。

クレジットの金利の有無

クレジットもクレジットカードも、ある意味では借金の一種なので、それなりの金利負担や手数料負担がどこかで必ず生じている。
ショッピングクレジットを例にとれば、分割回数に応じて分割払い手数料を、利用者あるいは販売店(加盟店)またはその両方が負担するタイプがある。


具体的に呉服店のショッピングクレジットでみると、たとえば「クレジット10回払OK、金利手数料ゼロ」などとうたってあっても、実際にどこにも金利が生じないわけではなく、クレジット加盟店である呉服店が金利手数料部分を負担していることになる。


仮に金利手数料が5%かかるものと想定して考えてみよう。
この場合は、消費者は金利がゼロでも、販売店(加盟店)が金利の5%を負担していれば、クレジット会社から販売店に入る代金は商品販売代金の95%となる。
また、「クレジット10回払OK、金利手数料2%」といった場合には、消費者が金利2%を負担し、販売店が残りの金利3%を負担しているため、クレジット会社から販売店に入る代金は商品販売代金の97%となる。


このように表面金利だけではわからない手数料のしくみが、クレジットシステムには隠されている。
どのような金利体系を選択するかは、販促戦略を考える販売業者のスタンスで決まってくる。
展示即売会などの催事の際には、金利手数料を販売業者が全額負担して、消費者の金利負担がゼロといったパターンが一般的である。
これはもともと、呉服というものが粗利益が高いということもあるが、商習慣上、掛け売りの時代には金利手数料はゼロだったということに由来している。
つまり商品の性格に応じて、クレジット金利が選ばれているということなのである。


クレジットカードの場合は、一般的には分割払いを行なうときには、返済回数に応じた金利手数料を消費者が負担しなければならない。
分割払いの一種であるリボルビングにしても同様である。
クレジットカードの手数料負担は、カード利用者のみならず、商品販売店である加盟店も負担しているのが一般的である。
この手数料を業界では「加盟店手数料」と呼んでいる。


加盟店手数料の平均は、現在のところ4~5%くらいと考えておけばいいだろう。
ただし、飲食店などの加盟店手数料は7%前後と高いものになっている。


また、ボーナス一括払いやボーナス二括払いなどの場合も、同様に加盟店が手数料を負担することで消費者は手数料負担なしというケースが多い。
ただし、一部加盟店においては、手数料を消費者に負担させているケースもあるので、利用の際には必ず手数料について事前確認しておく必要がある。


加盟店手数料などの体系は、クレジット会社と販売業者(加盟店)との取引実績や深耕度合いに応じて決められており、一つのパターンに収まるものではない。

加盟店手数料

・加盟店にとってもメリットは大きい


クレジット業務における販売や売上の中心的役割を担っているのは、実はクレジット会社ではなく、専門店や飲食店、スーパー、デパートなど、直接消費者に対してモノやサービスを提供する小売業を営んでいる加盟店である。


加盟店にはいくつかの種類があり、①大小を問わず小売店舗をもち消費者と対面で商品やサービスの提供を行なっている店頭販売加盟店、②主にカタログショッピングや通信販売を行なっている通信販売加盟店、③インターネットでオンラインショッピングを行なっているインターネット通信販売加盟店、④主に訪問販売を中心に行なっている訪問販売加盟店、⑤その他加盟店(①から④の複合型など)からなる。


加盟店になるということは、より多くの消費者が商品やサービスを購入するときの支払い(決済)手段の選択肢の幅を広げることを意味している。
簡単にいえば「現金払いだけではなく、ショッピングクレジット(個品割賦)やクレジツトカードでの支払いも可能ですよ」と、決済手段の窓口を消費者に対して大きく開くということである。


消費者は、クレジット会社のロゴステッカーやブランドマークをみて「この店はクレジットが使えるのだな」と認識する。
だから、デカル(クレジット会社のロゴやブランドが表示してあるステッカー)を店の入口、店内に掲出しておくことは、消費者に対して「当店ではクレジットが使えますよ」という重要なメッセージを送るサインボードの役割を果たしてくれるのである。


店の内外装やイメージを大切に考えている加盟店のなかにはデカルを掲出していないところも稀にあるが、デカルを掲出している加盟店に比べて、クレジットによる商品売上と収益獲得の機会を逸していることは間違いない。


仮に、同じ街に、同じ商品を、同じ価格で販売しているA店(デカル掲出あり)とB店(デカル掲出なし)が並んでいたとしたら、勝敗は明らかにA店の勝ちとなる。
なぜなら、クレジット販売による売上促進効果を享受できるからである。
モノがなかなか売れない時代には、もっともっとクレジットを活用することが、賢い勝ち組の加盟店経営者であるといえるだろう。


さらに具体的に加盟店になるメリットをあげると、①クレジット決済が可能であることによる広告宣伝効果・集客効果、②現金の授受よりもスピーディーで、つり銭ミスや不正が防止でき、かつ正確な会計が可能となる、③ボーナス払いや分割払いなど多彩な支払方法により、販売機会の拡大が図れる、④クレジットによる消費先取り効果をはじめ、現金払いよりもワンランク金額の高い商品を購入してしまう購入金額増加効果、⑤クレジット商品に付帯されたポイント制度やマイレージ制度、割引特典などによる集客効果・売上増進効果、⑥クレジット会社のキャンペーンやタイアップによる利用促進効果・販売促進効果、⑦その他、提携によるダイレクトメールや情報誌、Eメールなどを活用したさまざまな売上促進のサポート効果、などがある。


クレジットの取扱いを検討してみようと思ったら、むずかしく考えたり心配したりせずに、まずクレジット会社およびクレジットカード会社の営業部門にコンタクトをとれば、どの会社であっても詳しい資料の送付や説明をしてくれるだろう。


・加盟店手数料はさまざまな条件を考慮して決められる


一般的に、加盟店になるために入会金や保証金などは不要だが、商品やサービスを販売した時点で、加盟店手数料というコストを販売店(加盟店)が負担しなければならない。


加盟店手数料率については自由競争が行なわれており、クレジット会社やクレジットカード会社によって異なっている。
販売店(加盟店)の業種や店舗数、売上規模、取引年数、粗利益率などさまざまな条件や取引状況によって変わるため、一律何%というような決まりはない。


仮に加盟店手数料率が4%であると仮定した場合、消費者が1万円の商品を購入したすると、加盟店には加盟店手数料を差し引いた分(1万円-1万円×4%=9600円)が、クレジットカード会社から入金になる。


この加盟店手数料は、クレジット会社の代金振込手数料や事務代行やシステム手数料などの支払いにあてられるが、決済金額(利用金額)が少ないと逆ザヤとなってしまうこともある。
たとえば、わが国のクレジットカード1枚当たりの年間ショッピング利用金額は約9万5000円だが、この分の加盟店手数料は3800円(9万5000円×4%)ということになる。
しかし、加盟店への代金振込みが1回ならいいかもしれないが、これが10回の買い物だったとすれば、10回分の振込手数料のほうが高くなってしまう。


このような事態を防ぐために、クレジット会社の営業担当者は、加盟店の商品の平均単価や月商、あるいは現金対クレジットの決済比率予想などをもとに、お互いの収益を確保するのに最適と思われるレートを算出し、加盟店契約における加盟店手数料率を決定しているのである。


加盟店側も、手数料率を低く設定してもお互いに収益が確保できる見込みがあれば、それをクレジット会社の営業担当者にわかりやすく説明すべきである。
クレジット会社の営業担当者が稟議書で説明できなければ、より良い条件の獲得は不可能だからである。


できれば日頃から、クレジット会社の営業担当者とは仲良くしておきたい。
そして、たまには「知り合いの経営者が加盟店を希望している」というような紹介情報を提供できるといいだろう。


なぜなら、営業担当者にとっては、それが新規加盟店の獲得につながる一番嬉しい情報だからである。

他社のATMでもカードが利用できる理由

現在、全国に約25万5000台ある郵便局のATM(現金自動預払機)と提携している金融機関(銀行、信用金庫、信用組合、農協、漁協、証券、生保など)とノンバンク(クレジットカード会社)は2000社を超えている。
また、最近はコンビニでのATM設置が進むなど'ATMネットワークが充実してきている。


利用者にとっては、もっているカードを利用できるATMが増えれば、それだけ利便性が増す。
ただし、その反面、設置コストやネットワーク維持コスト、メンテナンスコストを捻出するために、ATMの設置機関は自社カード以外のカードが利用された場合には、利用(ATMを使わせてあげた)の見返りとして、ATM開放手数料を徴収している。


カード会社にとっては、自社以外が設置したATMでの自社カードの利用が増えれば増えるほど、ATM開放手数料の支払い負担も大きくなってくるのである。
仮に1回の利用につきATM開放手数料が「0.7%+100円」だとすると、たとえば3万円のキャッシングでは310円(3万円×0.7%+100円)となる。


大手クレジットカード会社の場合、キャッシングの取扱高は年間3000億~9000億円である。
平均利用額が3万円だとすれば、取扱高が3000億円で利用件数は1000万件である。
そのATM開放手数料は31億円にもなるのである。


自社ATMをもっている金融機関が、フィービジネスとしての手数料収入を上げていくためにはATM開放手数料の値上げが手っ取り早い。
しかし、実際に手数料の値上げが実施されれば、クレジットカードなどの年会費などの見直しを余儀なくされることは間違いない。

多重債務の整理方法と自己破産の実態

クレジットやローンなどの借金のことを「債務」というが、一人で複数の金融機関やクレジット会社から借入れをしている人を「多重債務者」という。


債務が多重化する原因にはいくつかある。
最近の傾向では、①賛沢品や収入以上の買い物、②遊興費・飲食交際費、③生活費、④冠婚葬祭・傷病・出生などに関する出費、が主な原因となっている。


とくに、生活費をやりくりするために債務多重化するという切実なものが、ここにきて増加する傾向にあり、このことはバブル経済崩壊後のここ数年間の長引く景気の停滞を反映していると考えられる。


そのような債務を整理するには、次のようにいくつかの方法がある。


①自助努力(「入るを計って出ずるを制す」ことで債務整理する)、②他力援助(親戚や低利の金融機関からの借入れで債務整理する)、③任意整理(業者との話合いによる債務整理のことで、借金や利息をまけてもらい一括返済または分割返済する)、④調停による整理(簡易裁判所に申し立てて調停で債務整理する)、⑤訴訟による整理(債務の不存在確認訴訟や過払分返還請求訴訟で債務整理する)、⑥自己破産(地方裁判所に自己破産の申立てをして債務整理する)などである。


最後の自己破産は、多重債務者が債務から逃れる最終手段である。
自己破産の申立てをするには、破産原因が存在していることが必要である。


個人が行なう自己破産の破産原因としては、債務返済不能の状態にあるということが必要である(破産法126条1項)。
つまり、自己破産の申立てをして、申立人が債務返済不能の状態であると裁判所に認められたときにはじめて、破産宣告の決定がなされるのである。


では、自己破産をするとどうなるのか。


①財産の管理処分権の喪失(破産者は破産宣告時にもっていた財産を売買する権利を失い、財産の管理処分権は破産管財人に移る)


②自由の制限(1:説明義務…破産者は破産管財人や債権者集会の請求により破産に関して必要な説明義務を負う。2:居住制限…破産者は裁判所の許可なく転居や長期旅行など居住地を離れることができない。3:引致・監守…破産者は裁判所が必要と認めた場合には身体を拘束されたり、逃走や財産を隠したりこわしたりするおそれがある場合には監守を命じられることがある。4:通信の秘密制限…破産者向けの郵便物などは破産管財人に配達され、破産管財人は受け取った郵便物などを開披できる)


③公私の資格制限(1:公法上の資格制限…破産者は弁護士、公認会計士、公証人、司法書士、税理士、弁理士、宅地建物取引主任者などになることができない。ただし選挙権、被選挙権などの公民権は失わない。2:私法上の資格制限…破産者は後見人、後見監督人、保佐人、遺言執行者などになることができない。また、株式会社の取締役、監査役の退任事由となる)


という三つの不利益が生じることになる。


一般的には、このような自己破産の増加はカード発行枚数の増加が原因していると思われているが、決してそのようなことはない。
自己破産の増加はカード発行枚数の伸びを大きく上回っている。
カードの発行枚数と自己破産は、直接は関係ないのである。

「営業」「与信審査」「顧客管理」が重要

クレジット業界では、消費者金融や一部の店舗を除き、銀行など他の金融機関のように、街の1等地の一階にドーンと店舗を構えるということはない。
そのほとんどがビルの階上店舗である。
というのも、顧客が来店しなければならないタイプの商品は、融資などの直接金融以外にはあまりなかったからである。
もちろん、クレジットカードの申込みは受け付けているが、ダイレクトメール方式が主流である。


店内における主な仕事は、カードやローンなどの申込受付や、融資相談を担当する「窓口営業(営業事務)業務」、カードやローンなどの可否を決める信用供与を担当する「与信審査(信用調査)業務」、すでに利用中の顧客の返済管理(督促と債権回収)を担当する「顧客管理(債権管理)業務」、その他の営業手続きや経理事務を担当する「総務経理事務」などである。


また、カード会社や信販会社などで、クレジットやカード提携を行なったり、加盟店開拓を行なっているような店舗では「営業推進(クレジット営業)業務」がこれに加わる。


こうした「営業」「与信審査」「顧客管理」というのがクレジット会社の仕事の三つの大きな柱である。
一般の会社ならば商品を販売して、売上管理を行ない、販売代金を回収して利益を上げていくのと同様に、クレジット会社においても、まずクレジット商品を販売して、商品の売上管理を行ない、販売代金を回収するわけである。
ただし、販売から顧客管理、販売代金の回収までの流れはすべてコンピュータによって管理されており、コンピュータ抜きには仕事は成り立たないのが現状である。


また、融資業務以外は、すべて銀行振込、口座振替等のシステムで動いているため、直接現金を触ることもない。
クレジット会社は「目にみえないお金」という商品を扱っているため、どんな仕事をしているのか、なかなかわかりにくいのが実情である。


ここで、もう少し具体的にそれぞれの仕事をみていこう。


「営業」の主な仕事は、新規加盟店の開拓である(ただし消費者金融は除く)。
顧客である加盟店(中小企業の経営者)との人間的なつきあいを通じて信頼関係をいかに築いていくかということが重要になる。
そのためには、常にお客の立場で考えること、情報収集を怠らないこと、企画提案(情報提供)を行なうこと、という積極的な営業姿勢が重要である。


「窓口営業」の主な仕事は、お客との窓口応対である。
消費者金融などでは、この窓口営業が与信審査を兼務しているところが多い。


サービス業の勝敗は、お客と接する最初の15秒(真実の瞬間)で決まるといわれるが、その店舗、あるいは企業の最初の印象(企業イメージ)を左右する重要な仕事である。
具体的には、商品説明やクレジットの申込受付、申込相談業務を担当する。


「与信審査」の主な仕事は、クレジットの申込みにおいて問題がないかを確認する仕事である。
クレジット申込書に記載された内容と、申込者の過去の信用情報や勤務先、収入、資産背景などの整合性をチェックし、クレジットを利用できるか否かを総合的に判断する。


さまざまなケースに対応して臨機応変に判断できるように、日頃から一般常識や商品知識(たとえばBMWならば、「ドイツから輸入した自動車である」というように、クレジットの申込みがあった商品名から商品内容を理解すること)や洞察力を養っておくことが重要である。


「顧客管理」の主な仕事は、何らかの状況で返済遅延を起こした人の信用状況を電話で確認したり、問題を抱えた人に問題解決の道を提案するといった重要なものである。

「オートコール」と「途上与信」

「オートコールシステム」とは、お客さまに延滞状況などを自動(オート)で電話(コール)をかけて知らせる、機械による督促管理折衝システムである。


主な仕事としては、まず延滞債権を分類し、督促折衝を行ない、入金履歴の管理、債権回収を行なうという流れである。
わかりやすくいえば、電話料金の未払いなどの場合に、いつまでに入金をしてください、さもないと電話回線が不通になりますよ、というような連絡が入るのと同様に、クレジットにおいてもクレジット代金の返済が遅延すると、その遅延債権についてきちんと返済してもらえるまで督促折衝を行ない、債権を管理していくという重要な仕事である。


この仕事は単に、延滞債権管理というだけではなく、クレジット支払いの期日管理、および消費者の返済能力の変化を常にチェックする「途上与信」という役割を担っている。


大量生産、大量消費の時代において、個人消費を助長する購買システムとしてクレジットは成長を続けてきたが、今後もさらに成長を続けていくためには、この途上与信というものをどう扱っていくのかがキーとなる。


なぜなら、たとえばクレジット返済日一つとっても、大量消費の時代にはクレジット会社が決めた返済日という固定した枠を押しつけていけばよかったが、これからの時代、すなわちお客の職業や消費パターンそのものがますます多様化していく時代においては、すべての人の給料日が月末ということはありえない。
また、転職などによって給料日が変わることもある。
したがって、返済日にも選択肢を設け、都合のいい日を選んでもらうようにしなければ、自分で自分の首をしめる(自分で自分の債権回収の仕事を増やす)ような事態を招くことになる。


延滞が起きたときには、まずクレジット会社側の大量処理という与信システムのほうに非がなかったかどうかを確認することが重要である。
そして、消費者の返済能力を正確に把握し、返済日や返済額や返済回数はそのままでいいのか、残業が減ったり、家族が事故で入院したり不可抗力によって返済能力に何らかの変化が生じていないかどうか、といったことをチェックし、相手の返済能力に合わせた返済計画を再び調整(リファイナンス)してあげることが、真の途上与信であるように思う。


債権回収や遅延の発生をチェックするだけが仕事ではない。
遅延の発生原因を分析し、どうしたら二度と遅延が起きないような健全な与信が可能になるかを常に追究し、よりよい新しいしくみを創造していくことが何よりも重要である。
優良資産残高(遅延のない優良な貸付債権)をいかに増やし、そこから生み出された利益からいかに社会貢献(村社会、対顧客、対株主、対社員)をしていくのかが、クレジット企業に課せられた重要な役割である。