カードの国際ブランドとは
カードの国際ブランドとは、独自の海外加盟店ネットワークと決済システムを構築しており、海外でも利用できるカードといえる。
国際ブランドは大きく分けて二つある。
一つが「VISA International」で、もう一つが「MasterCard lnternational」である。
この二つのブランドだけで全世界のカード決済の90%以上を占めている、まさにカード業界のメガブランドである。
2002年末時点における、この二大国際ブランドのクレジットカード会員数(デビットカードを除く)はビザが10億30万人、マスターカードが5億9010万人で、合計で15億9040万人にものぼる。
さらに、加盟店数は4920万店(ビザが2000万店、マスターカードが2920万店)、売上高の総合計は3兆7035億ドル(ビザが2兆5619億ドル、マスターカードが1兆1416億ドル)になる。
これは1ドル=120円で換算すると444兆4200億円となり、日本全体のカード売上高の30兆7544億円の約15倍に相当する規模である。
しかも、両ブランドとも対前年比で二桁成長を続けているのである。
国際ブランドの使命は、国内だけではなく、海外でも安心して使えるクレジットカードとして、決済を安全かつ確実に行なえるようなインフラを整えていくことであり、カード会社やカード利用者からの信頼に応えていくことが重要になる。
ただし、ここで注意しておきたいのが、ビザやマスターカードは、自ら加盟店開拓やカード発行を行なうことはしないということである。
業務内容からみても、加盟店開拓やカード発行を行なっている国内クレジットカード会社とは異なっている。
国際ブランドは、あくまでもクレジットカード業務を行ないたいという銀行やカード会社に対してライセンス提供を行ない、自らが構築した国際決済ネットワークを使える権利としてのブランドマークを貸与しているのである。
つまり、国内クレジットカード会社のカード券面から「VISA」と「MasterCard」のブランドマークをはずした時点で、国内クレジットカードは国際的な決済ネットワーク(ビザやマスターカードの加盟店)では使えなくなり、クレジットカードの国際決済ができなくなるのである。
ビザは、1955(昭和30)年に発足し、58(昭和33)年に発行したブルーとホワイトとゴールドのデザインからなるバンク・オブ・アメリカ(バンカメリカ)カードが前身となり、66(昭和41)年から広く全米にフランチャイズ展開を行ない、76(昭和51)年にその名称を変更したものである。
現在では、世界長大の発行枚数を誇るクレジットカードの国際ブランドにまで成長している。
その本部組織であるVISA Internationalは、カードビジネスの国際決済ネットワークという重要なインフラを提供している組織である。
自らはカード会員は募集せず'加盟店契約も行なわず、銀行を中心としたカード会社を顧客とするネットワークサービスを提供している。
カード会社は「VISA」という統一ブランドでのクレジットカードを発行したり、加盟店契約を行なったりしている。
銀行やカード会社にとっては「VISA」のメンバーになりさえすれば、VISAInternationalが運営する国際決済ネットワークを容易に利用できる。
マスターカードは、バンク・オブ・アメリカの動きに対抗して、66(昭和41)年に設立されたInterbank Card Association(カードの相互乗り入れ組織)が中心となり、マスターチャージというカード連合、さらに中西部バンクカード協会、FNCBという地域のカード発行銀行協会が参加してできた、全国的な上部団体(非営利法人)を前身としている。
現在の本部組織であるMasterCard lnternationalは、設立当初から国際展開に積極的で、北欧のユーロカードや英国のアクセスカードなどとも提携し、その決済ネットワークを拡大していった。
現在では世界第2位のカード発行枚数を誇るクレジットカードの国際ブランドである。
マスターカードはビザと同様に、世界中から認められ、高い評価を受けているブランドを掲げたグローバル・ペイメント・カンパニーなのである。
また、ロゴマークであるつながり合った二つの輪(Interlocking circles)は品質の保証を象徴し「Master」と「Card」の互いに補完し合う関係をあらわしている。
全世界のクレジットカード発行枚数の90%以上のシェアを占めるビザとマスターカードの二大国際ブランドは、現在ではドルや円などの通貨に代替できる国際決済サービスとして機能しているともいえるのである。
なお、この二つ以外の国際ブランドとしては「アメリカン・エキスプレスカード」「ダイナースクラブカード」「JCBカード」の三つがあり、これらを総称して五大ブランドと呼ぶこともある。